河名紀子
ハウジングジャーナリスト
上智大卒、「東京新聞」、住宅業界紙記者、住宅業界誌編集長を経て独立。
現在は、国や自治体・ハウスメーカー等主催の講演のほか、住宅雑誌やサイト・新聞に記事を執筆。AllAbout「家づくり最新情報」公式ガイド。住宅展示場の主婦・女性集客プロジェクト「サロネーゼ倶楽部」プロデュースのほか、住宅イベントのコーディネーターなど活動を広げている。
モットーは「女性・生活者・妻・母の視点で分かりやすく」。
「メディア・ハウジング研究所」代表。
…というテーマを最近、意識し始めていたところ、
興味深いカタログが、ある住宅メーカーから送られてきました。
先日、残念ながら「エコポ分譲住宅の街」見学会に行けなかったことから、同社が資料類を送ってくださったのですが、私が目に留めたのは、上の写真の
「パティーナライフストーリー・ウーマン ≪時めく街 草加松原≫に暮らす、女性の人生を綴る物語」と、その男性版の2冊のカタログ。
女性版の目次を少し引用すると、
「新しい街を創るということは、そこに暮らす人々の新しい人生を創るということ。
ならばこの街でずっと暮らしていく女性たちは、どんな人生を送っていくのだろうか。
娘の公園デビューした日。
娘が料理にめざめた日。
娘が思春期を迎えた頃。
娘が嫁いだ日。
永年の夢だったフラワーアレンジメント教室を友人と始めた日。
主人とガーデニングしながら振り返る私の人生」
少し夢のような人生だが(笑)少なくとも、設備満載のカタログよりは、
そこに住まう日々のシーンがイメージできる。そして女性はこんな訴求のされ方を求めているのではないかと思う。
同社は越谷の地元にずっとこだわり、あえて全国展開せず、夏祭りなど街ぐるみの様々なユニークな試みを展開しているが、改めてその同社の「あえて拡販しない強さ」を、こんなところにも感じる。
以前、住宅業界よもやま話をした、ある広告代理店の方からこんなメールがあった。
「住宅エコポも盛り上がっているのは一部のサッシ部材メーカーで、ハウスメーカーやディベロッパーはそんなに盛り上がってないようなんですよね…」
もっと言ってしまえば、消費者はもっと盛り上がっていないかも。(エコポなどの記事を書いている人間が言うのもなんですが…)
それは不景気だからという理由じゃない。制度が複雑でよくわからないというユーザーもいるでしょうが、もっと言うなら、そこに「暮らし方」の提案が欠けているから。ストーリーが見えないから。
「暮らし方ねぇ…」と首をかしげるその担当者。確かに暮らし方って、太陽光や断熱サッシのように目に見えるものではないから表現するのは難しい。
そんな中、同じ日にくしくも積水ハウスが「ライフスタイルから考える住いづくりサイト~すまい・すまいる~」をリリース。
サイト閲覧者の意見をオンラインや投稿で募りユーザー参加型のサイトを目指すとか。見えにくい暮らし方を「見える化」する。面白い試みではある。
暮らし方はもしかしたらユーザーのほうがプロかもしれない。その意味で企業メッセージを押し付けるのでなく、ユーザーを巻き込んだ住まいづくりサイトが今後増えていくのは必至。
昨日は新宿のアキュラ本社でマスコミ懇談会。
ジャーブネットのリーディングプロジェクトメンバーを代表する加盟8社も出席。
アキュラはやはり話題の550万円住宅が効いてか、通期見通し増収増益の予定。
今後は世の中の低価格路線を背景に、加盟社とともにこの低価格住宅を販売していく。
が、やはり低価格ゆえの苦しさもあるようだ。
「仮に年収1000万円の営業マンが年間4棟売るのが普通だったら、1棟売るための営業経費は1棟250万円かかることになり、550万円住宅だけでは赤字になる」(写真の宮沢社長)とも。
このため話題性は550万円住宅に軍パイがあっても、
付加価値のある長期優良住宅も並行して展開していく二極路線でリスクヘッジしていくと思われる。
世の中の低価格路線は結局、企業が自らの首を絞めることにもつながる。低価格は消費者としてウレシイが、「低価格ブーム」が続く限り景気回復はのぞめない。
結局、ボーナスや収入減などで消費者にツケが回ることを、住宅に限らず消費者も気づくべきだ、というコラムが新聞に載っていたが、あえて高いモノを買わせるには相当な仕掛けや工夫が必要なのも確か。
袋小路だ…
住宅各社がプロモーションを手控える厳冬の時代に、
ミサワホームが09年下期、新プロモーションを展開する。
その手法とは!……ネットかモバイルか最新プロモーション技術か、と思いきや、、、、
意外にもアナログ。グッドデザイン賞20年連続受賞を記念して、全国主要ターミナル駅に大型広告を出すというもの。写真は新宿駅地下。東京駅や名古屋駅・大阪駅、札幌や福岡でも同時展開していく(写真提供:ミサワホーム)
ここまで20年の歴史が一目でわかると、道行く人も無視するわけにいかないかも。
確かに、グッドデザインが誕生した1990年前後は、ミサワホームが一番に受賞した記憶がある。「住宅のGマーク≒ミサワ」といってもいいほどの強いイメージがあった。
その後、他メーカーも毎年ランクインするまでにメジャーになったGマークだが、その業界最古?で受賞数1位を示すには、こんなプロモーションがわかりやすい。
新CMでは財津和夫氏によるCMソング起用。これまたアナログイメージだ。
バーチャル一辺倒になりつつある広告が、ここまで翻るとまた新鮮。
今日も抜けるような青空のもと、都庁に見守られながら、オープンしたての東京都新宿展示場でミサワホームとダイワハウスのモデルハウス見学会がありました。
午前中はミサワの久々のCENTURYシリーズ「空を見つめる3階建て」。白と青のコントラストをなす外観が目を引く。
やはりここも二世帯。隣の建物が迫りくる都市の立地を想定して、外に閉じ内に開き中庭を囲むプラン。
中はかなりアラフォー好みを意識し、バリのリゾートホテルを思わせるラグジュアリーで落ち着いたインテリア。
スマートスタイルのカジュアル路線から一転、久々に同社らしいデザインセンスを生かした内装。
もちろん、「蔵」もあります。高さ1.4メートルのため立ち上がれないけど、中のソファに座ってみたら意外なほど落ち着く。
トビラを閉めるとこんな感じ。ここに洋書や小物などを飾れば、中にこんな空間があるとは思えない。
そして目玉は同社がこのほどリリースした「エネルギーモニターシステム」。太陽光発電による発電量のほか、エコキュートやエネファームなど、家じゅうの電気とエネルギーをすべてトータルに把握できるそう。
こういう「メカもの」に反応するのは、きっと奥さんより理系のダンナさんなんだろうなぁ。


(N社のある晴海トリトンにて)














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