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河名紀子

ハウジングジャーナリスト

上智大卒、「東京新聞」、住宅業界紙記者、住宅業界誌編集長を経て独立。

現在は、国や自治体・ハウスメーカー等主催の講演のほか、住宅雑誌やサイト・新聞に記事を執筆。AllAbout「家づくり最新情報」公式ガイド。住宅展示場の主婦・女性集客プロジェクト「サロネーゼ倶楽部」プロデュースのほか、住宅イベントのコーディネーターなど活動を広げている。

モットーは「女性・生活者・妻・母の視点で分かりやすく」。

「メディア・ハウジング研究所」代表。


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「無極化」時代の住宅

…という話を、いろいろご指導いただいている早稲田の先生に昨日伺った。

景気の底がいつかという議論が騒がしいが、

経済の70年周期論によれば、2020年まで下がり基調にあり、向こう10年は多少の変動はあっても確実に上向かない。この2020年までどう生き残るかがすべての企業に試されている。

そして、二極化という時代も長く続いた。米ロ、貧富、勝ち組・負け組…

でもこれからは違う。無極化の時代に入っていくという。

BRICSという言葉を聞いてすぐ分かる方は話が早いが、これからはどの企業もブラジル・ロシア・インド・中国といった市場を視野に入れたビジネスを考えなければ生き残れない。

日本は世界で孤立している。国内産業ばかり国内経済ばかりの綻びを見つめてはため息ばかりついているが、それでは行き詰まる。世界の国々はそれに気づいてアジア諸国も手を打っているのに、日本だけが鎖国状態になっている、と。

大手ハウスメーカーやデベ各社は最近になって韓国やオーストラリア、北米などに進出しているが、どこもまだ軌道には乗っていないようだ。

多極化でもない、無極化。これはなかなか難しい。

住宅に言い換えてみればどうなるだろう。

高額帯とローコスト帯、男性向き設備と女性向き設備、木造と鉄骨……二極化でマーケティングしていればよい時代は終わり、極の無い真空状態で「売れる住宅」をマーケティングしていかなければならない。

しかしかつて良き成長時代、さまざまな商品バリエーションをもっていた住宅各社も、今は高額商品とローコストのシンプルな二極ラインナップに統合されてきている。そのほうがシンプルで販売管理なども効率的なのだろうが、

これが「無極化」時代の住宅の在り方かどうか、判断しにくい。

中間決算短信にみる市場動向

「危ない業者」こう見抜く 不動産・建設の倒産急増
http://www.asahi.com/housing/zasshi/TKY200808250161.html

朝日新聞までがこんなセンセーショナルな記事を書くほど
やはり市況悪化は予想以上に厳しい。
資金繰りの厳しい投資マンション・分譲建売をはじめ、その不況の波は
「不動産→建設」「中小→大企業」と拡大のおそれもある、という。

そんななかで一昨日、某大手ハウスメーカーが発表した平成21年1月期中間決算。
概要をかいつまんでみると

「基準法改正による影響は収束に向かっているものの、新設住宅着工戸数は引き続き前年割れ。
そこに原油高騰、雇用悪化、サブプライムショックが追い打ちをかけた。

賃貸は堅調に推移し、戸建て請負も受注面では回復基調にあるものの、特に分譲住宅市場の低調が足を引っ張った。

原料の急激なコストアップが企業のコストダウン努力を大きく上回っているものの、住宅販売価格の見直しも視野に入れながら、当面は経営全般にわたるコストダウンで対処する予定」

相次ぐ値上げで住宅価格も例外ではないとみていたが、
すぐに「値上げ」という事態は企業努力でなんとか引き伸ばされそうだ。

まぁ、値上げしても買わなければいけない生活必需品と違い、
「住宅」は車と同様で、「サイアク現状のままでも」と様子見されて足踏みが可能なモノ。景気や社会情勢による消費マインドに、特に左右される。

ただでさえ地価下落の前兆や景気悪化で様子見傾向だった消費者マインドが
一国の最高責任者である福田さんもサジを投げたことで
より一層冷えていく可能性は大いにある。

「値上げしてでも買ってくれる消費者」が存在しない限り
住宅企業は原料アップにあえぎながらも「据え置き」に甘んじるしかない。
この多重苦が持ちこたえられる企業規模ならいいが、
やはり冒頭の朝日新聞ではないが、資金余力のない企業は持ちこたえるにも限界が出てくる。

いずれにしても「子供が買うお菓子から、なんでも値上がり」ご時世でも
人生で一番高い買い物「住宅」の値上がりは当分なさそうな予感。




・この部屋はいくらくらい?

三澤千代治氏「200年住宅」語る

先週の金曜日、日本増改築産業協会(ジェルコ)主催「リフォームシンポジウム2008」(協力:リクルート)に顔を出してきた。

テーマは「新築を超えるメガリフォーム!」。
新築からリフォームの時代と長く言われている割には
現在のリフォーム市場はなかなか火がつかないでいるが、
時代は確実にそこに移行しつつある。
(というか、新築の陰りはすでに出てきているから、そこに向かうしかないだろう)

その意味で、
リクルート住宅総研による「既存住宅流通活性化プロジェクト」セミナーの
リノベーション需要を示唆する事例紹介は大変興味深かった。

さて、同シンポジウムに足を運んだ理由はもう一つあった。



ミサワホーム創業者で現・ミサワ・インターナショナル社長の三澤千代治氏の講演があったからだ。
三澤氏がミサワホーム社長時代、何度か取材させていただいたことがあるが、
その訥々とした「三澤節」は69歳の今も健在だ。

ミサワ・インターナショナルは「HABITA」ブランドで、全国の工務店をネットワーク化し、
日本の古民家を現代に生かした200年住宅ビジネスを手がけている。

講演中、三澤氏はドイツや飛騨高山、桂離宮などの築数百年の多くの建物をスライドで見せ、
「200年住宅のカギを握るのは、時代を超えたデザイン美である」と唱えた。

右のような「二百年住宅を一緒に!」という著書の中では、こう書いている。

「二百年住宅というのは、物として、構造体として二百年持つとか持たないかという議論ではなく、壊すのにしのびがたい、もったいないという住宅ができた時に、二百年住宅として成功したと思います」

確かにそうだろう。
いくら200年もつ性能を備えても、次の買い手が壊して建て替えてしまえば
膨大なゴミになる。
それでは200年住宅も住生活基本法も根本理念に矛盾してしまう。

万人に「あぁ、この家を壊すことはしのびがたい、何とか残せないか」
と思わせる普遍的なデザイン美と愛着が、必要なのだと思う。

「美しい」と多くの人が感じたからこそ、桂離宮も東京駅や文科省ビルも残されているのであり、これは難しい建築技術の話よりも感覚的に共感しやすいテーマではないだろうか。

エコバッグやチームマイナス6%、クールビズといったような、
10歳の子どもにも分かる国民的運動が必要なのではないだろうか。


リフォームもいいけど

決算説明会と「家を建てよう政策」

ハウスメーカーの決算説明会。

やはりまだ建築基準法改正の悪影響が続いているようですね。
建築請負事業は苦戦を強いられているものの、
リフォームや賃貸管理などのストックビジネスは引続き堅調。

資材コスト上昇は痛いものの、円高の好影響が目先の明るい要素か。

戸建需要層の両翼を担う30〜40代一次取得層も60歳以上のシニア世代も
受注単価は小粒化傾向にあるようですが、当然といえば当然でしょう。

景気も給料も横ばいか右肩下がりなのに、ガソリンや生活費ばかりが上昇している今。
民主党が景気のテコ入れ策として「家を建てよう政策」を提唱しているようですが、
肝心の国民が家を建てようという気になるのは
景気も給与も上向きになってからではないでしょうか??

タマゴが先か、ニワトリが先か。

「zino」休刊

4月24日(木)発売の6月号をもって休刊するそうです。



「zino」は、あの名物編集長・岸田一郎氏が立ち上げた男性向けラグジュアリーライフスタイル誌。
私も女ながら「カッコイイ」と読んでいた一人なので少し寂しいです。

私がガイドをしているAllAboutとも資本・業務提携を締結していたそうで、
(事業撤退の知らせでウェブメディア@zinoの存在を知りました・汗)

KI&company岸田社長は休刊の理由についてこう述べています。

「男性向けライフスタイル誌市場における環境の厳しさが増す中、
販売部数と広告収入が当初計画に届かず、
今後の事業継続による早期の収益化実現は難しいと判断し、
zino及び@zinoの事業終了を決定いたしました」(同社HPより)

格差の進行でニューリッチ富裕層向けビジネスを狙う企業も多いようですが
現実はさほど甘くないということでしょうか。。

格差社会に負けない

なんか噛み合ってない

今日はここだけ?(といっても既にネット上ですが…)のホンネトーク。
立場変われば、見るもの聞くもの違ってくるというが、本当にそう思う。

記者時代は日々、国会議員や業界の重鎮に混じってどっぷり天下国家的視点でいたが、
今は幸か不幸か、どっぷりユーザーに混じってモノを考える環境である。

毎日、子供の送り迎えをし、幼稚園ママたちと語り合い、
ユーザー向けの住宅セミナーで講演し、
展示場プロデュースなどでもユーザーだけでなく、戦場?の第一線で食うか食われるかの立場にたたされている営業マンに触れる環境。

いわば住宅業界を三角形で見たら、
国・業界トップといった頂点の見方から
底辺というべきか、裾野のユーザー層に180度転換して身を置いているようなものだ。
ま、ある意味落ちぶれたというべきか、いや幸いなのかもしれない。
業界誌・紙などを読んでも「こうじゃないのにな」と気付きが多くなったからだ。

200年住宅、長期耐用住宅、Co2削減住宅……これはもちろん、国からみれば必要な政策であり目標である。
しかしユーザーには全く響いていない。
200年ももつ住宅をたくさん作れば、需要を先食いし、現在のフローベースの住宅産業は成り立っていかないことは小学生でも分かる。
だからユーザーには虚言として映ってしまっているのではないだろうか。

というよりも、今の現役世代は収入も経済も横ばいか右肩下がりにある中で
200年どころか100年先など考える余裕はなく
いかに日々食べていくか、死ぬまで資金ショートすることなく食べていけるか
格差が進めば進むほど、深刻な死活問題になる。
そこに「200年住宅」といっても、「それどころじゃない」ということになる。

国としてはそこを大きな政策目標として掲げるのは当然だし、掲げるべきではあると思うが、
利益を追求しなければいけない業界としては、もっとユーザー目線でアピールしなければ、ただでさえ加速している着工減・市場縮小のスピードを食い止めることはできないのではないか。

ユーザー目線、それは家事効率や光熱費削減よりも、もっと踏み込んだもの、
例えば、自宅まで来てくれる託児サービスや介護サービスがビルトインされた家ならば、女性は働き続けることができるし、
自分が超高齢になったときに本気で在宅介護ができる、
掃除サービスが70歳以降10年間ついているとか、
死ぬまで自宅で過ごせる仕様やサービスがビルトインされた家ならば
安心して歳をとることができる。

確かに介護サービスまでやるとイメージが暗いし、異業種との提携でコストも発生し、ビジネスモデルも大転換しなければいけない。

しかしユーザーが今求めているのは、住宅というハードではないということはもう二十年来言われていること。
ユーザーは困っていることがあるのだから、そこに手をさしのべられる生活支援サービス付き住宅ではないだろうか。
新築でなくてもリフォームにサービス付加してもいいかもしれない。
少なくとも、私がユーザー的視点に立ったら、本気でそんな家が欲しい。

昨日話を聞いたマンダリンオリエンタル東京を手がけた小坂氏は
「日本は『この予算で、こういうプランで』と具体的条件から話が始まるが、
香港のマンダリンは『あなたの考え方をまずプレゼンしてください。私たちはそれを尊重します』と言われ驚いた」という。

今のユーザーは諸条件から抽出したプロトタイプやプランでは満足しない。
「200年住宅に住んで環境貢献しましょう」と押し着せられては尚更だ。
ならば「あなたの夢は、困りごとは何ですか?」とユーザーにプレゼンさせることからまずスタートしてもいいのでは…と思ったりする。

…と偉そうなことを書いてしまいましたが、少しココ最近、違和感を感じていたので発散させていただきました。

女性の品格と住まい

といえば、講演者はもちろん、あの坂東真理子さん。

住生活月間まちなみシンポジウムが「子育てと住まい」のテーマで行われました。

「衣食・医療・介護・教育すべてがお金を払えば外注できるようになったが
育児だけが家の中に残った」と坂東さん。

坂東さんは幼い子供を自転車に乗せて保育園に通わせて仕事を両立させてきたそうですが、その保育園にも子供を待機児で入れなかった私としては
「お金があっても外注できる人は限られる育児」というものを
イヤというほど味わってきただけに、興味深い話でした。

パネルディスカッションは
明治大准教授の園田真理子氏、
こども環境学会長の仙田満氏、
日経キッズプラス編集長の尾島和雄氏
都市ジャーナリストの森野氏などで行われましたが

今現実に子育て中の女性の悩みを代弁してくれるようなパネラーがいなかったのが
少し残念…。

住宅が狭くて子供がもてない、2人目が産めない、子供を産むと仕事が続けられない、子供が大きくなっても資産価値の下落で買い換えられない……

子供にやさしい家も大切ですが、それよりもそれさえも可能としない社会構造や現実のほうが切実だと思うのですが。

07年国民生活白書に思う

昨日、内閣府から発表された2007年版国民生活白書のテーマは
「つながりが築く豊かな国民生活」。

「人という字はね…」じゃないですが
いまさら「つながり」が国家のテーマになってしまうほど、家族とも地域とも職場の人ともつながれない日本人、つながりにくい時代。

大人は仕事に忙しく、子供は塾に忙しく、職場でもPCに向かって個人単位で仕事。この当たり前につながりれないことが大人と子供の精神面に影響している可能性があると白書は指摘しています。

このつながれない時代がいまの「家族と・自然と・友人とつながる家づくり」に結びついているのでしょうが、住宅というハードが「リアルなつながり」に貢献できる部分はどうしても限られてしまう気もしてしまいます。。

家族とつながるためにオープンキッチンにしたり
ホームパーティ用の大きなガーデンテラスを設けたところで

毎日忙しくてキッチンに立てる時間そのものがなかったり
土日の仕事で友人を呼ぶどころか家事も溜まっていく…というのが
周囲の話を聞いても圧倒的です。

やはり白書が言うように「家庭と仕事の両立」「ワークライフバランス」ということになるのでしょうが、これはもう十年以上前から言われていること。
その十年前より労働時間が長くなり、つながりが希薄化しているとすれば
あまり期待のできない政策目標なのでしょう。

白書のいう「安らぎ・子育て機能低下」が進む社会で
住宅はこれからどう変わっていくのでしょうか。

参院選公約に「200年住宅」?

夏の参院選の自民党公約に「200年住宅ビジョン」が加わるという。
100年住宅の時代がここ10年続いたが、現実の耐用年数は増えたでしょうか。

ビジョンではリフォーム工事や点検履歴がわかる「家歴書」を整備し、世代を超えて利用される200年住宅を市場で流通させるという。

「200年もつ」といえば人生70年としても3世代3家族。
でも現実の耐用年数はその10分の1の20年。20年経つと、何千万円もつぎ込んで買ったマイホームの資産価値は限りなくゼロになる。

200年もつ住宅は現在の業界の技術でも、リフォームやメンテなどを重ねれば可能でしょう。
そこにあえてガイドライン作成や街並み形成、住み替え支援、200年住宅取得者のローン支援などなど
総花的にあれもこれも付け加えても

大切なのは「20年で資産価値がゼロにならない評価システムと市場整備」、これに尽きるのではないでしょうか。

それがなければ、今後も多く建設されるであろう200年住宅も300年住宅も
結局20年で取り壊されることになる。

多くの国民と住宅業界の営業マンたちは200年先どころか
明日の生活と年金が死活問題。
ところが年金もデタラメだったことが判明…
そこに絶対の安心がなければ
「壮大な200年住宅ビジョン」は結局見向きされることもなく
選挙のための聞こえのよい絵空事になるのではないか。

ま、これから200年住宅が建てられても、自民党の先生方も住宅業界関係者も私も(私の子供も)生きてはいませんけど。。。(…と多くの人が思うでしょうね)

次世代ももちろん大切です。でも自分たちの生活や老後が安心できなければ
次世代のことまで真剣に考えようという気持ちは起こりにくいのではないでしょうか。

次世代は現役世代の延長なのですから。


晴海トリトンとルネッサンス塾

昨日は仕事の打ち合わせで久しぶりに晴海トリトンを訪問した。

街が完成したのは2000年。
職住近接の「住まい+オフィス+ショッピング複合施設」の走りの頃ではないだろうか。都営大江戸線が開通するやいなや誕生した「街」だ。



その後、矢継ぎ早に汐サイトや六本木ヒルズが大江戸線に誕生し
人の流れはそちらに移ってしまったが、
流行を追う人の流れが去った後ならではの落ち着きが出ていると感じた。

UR都市機構も力を入れただけあって、トリトンの美しい街並みはURのプロモーションビデオの巻頭にも出てきている。

街の誕生から7年。サクラや緑にこんもりと覆われた欧米を思わせる街並み。
子どもたちの声が聞こえ
近所のマンション住人がひとときを過ごす憩いの場になっている。
それが不思議とオフィスで働くサラリーマンとの姿と調和している。

子どもの成長を祝う「こいのぼり」がいたるところに飾られている風景は、
今の六本木や丸の内では考えられないかもしれない。

7年前めざしたであろう「住まいと街」がいい感じで風景になりつつある。

打ち合わせ後、同じトリトンに入居する日本建築センターW部長と久しぶりに懇談。
「住まいと街」の必要性について力説をいただいた。

W部長が運営する「住まいの産業ルネッサンス塾」は
1998年に開講後、住宅供給だけでは成し遂げられない「住まいと街の美しい融合」について業界関係者と議論を進めている。

折りしも昨日は新丸の内ビルオープン。
ヒルズやミッドタウン、OAZOなどの誕生で地価やリートや不動産投資が局地的に熱く騒がれているが

本来の街の魅力はブームが過ぎ去った後の10年、20年後に問われるのではないか。ミッドタウンもヒルズも、十数年後にその街に住む人が「ここに住んでよかった」「ここで働いていてよかった」と思えるかどうか。

投資バブルがけたたましい今だからこそ「住まいと街」という根底の大切さを
晴海トリトンとW部長を訪問して学ばせていただいた気がする。


(ルネッサンス塾が昨年末発行した提言書「住まいやまちの創生による豊かな国づくり」)








生存権侵害?いっぱいある!

岸部シローさんが「老後のことが心配で、心配で…」と書かれていましたが、
昨日こんな記事が載っていました。

高齢者の生活保護受給者に上乗せされていた「老齢加算」を廃止したのは、
憲法25条は保障する生存権の侵害にあたり違憲だとして、東京都内の73〜83歳の受給者13人が処分の取り消しを求める訴えを今月中旬に、東京地裁に起こす。

老齢加算は70歳以上の生活保護者に加算され、大都市部では月額1万8千円。
①高齢者が消化吸収のよい食物を要し、②暖房費や被服費、保険衛生費など身体的に特別な配慮を要する−−ことなどが加算の理由。(2月4日付朝刊)


こんな憲法25条が保障する最低ラインの食物や被服費まで削らなければいけないほど、世知辛い世の中です。
春になると一斉にアスファルトを無意味に掘り返して、平らだった道路が余計凸凹になるす予算消化のための工事費を
こういう部分に振り分けることができないのでしょうか?

いや、むしろ、こうした老齢加算の一方的廃止が生存権侵害になるのならば
定率減税廃止や住宅ローン減税の廃止、各工事審査を伴った公庫直接融資の一方的廃止は、生存権侵害にあたらないのでしょうか?

こんなことを思っていたら先日、カルチャーセンターで生徒?の60代女性に言われた言葉を思い出しました。

「なぜ日本の住宅が20年足らずしかもたないか知ってる?
それはね、欧米のように100年、200年住宅がもったら
建てた世代のあとの3世代は働かなくても食べていけるでしょ?
国としてはそれは税金がとれなくなって困るでしょ?

だから償却期間は一世代で終わるよう20年って決められているのよ。

それで私たちが働いても働いても豊かにならないのは
稼いだお金がみんな海外に流れてしまっているからなのよ。

日本の若い人って不思議よね。『お金、お金』って拝金主義なところはあるのに、増税されてもデモも起こさないし、あきらめムード。
フランスだって韓国だって即デモ起こすのに。

だまされちゃダメよ。選挙に行かなきゃ!」


と半分ジョーク交じりだったにもかかわらず、
後で一人考えこんでしまったのを覚えています。

いま消費者は賢いです。とくにオバサマ世代はシビアです。勉強してます。


人の家はたくさん建てても、一生自分の家が建てられなかった大工さん。
(岸部さんのブログより)

そんな欧米人が見たらシニカルな漫画としか受け取れない日本のウサギ小屋社会って、本当に「美しい国」なのでしょうか。

謝れば済む?「女は産む機械」発言

柳沢厚生労働相は昨日の衆院本会議で、「女性は産む機械」と発言したことについて、

「女性を傷つける不適切な表現を用いた。国民とくに女性の方々に改めておわびする」と陳謝した。
安倍首相は野党の辞任要求に対して「(柳沢厚労相が)職務を果たしていくことで、信頼を勝ち得るようにしてほしい」と拒否した。(30日付東京新聞朝刊)



「ごめんなさい」と謝って済むことなのでしょうか?
女が「産む機械」なら、安倍首相も柳沢厚生労働相も、
日本国民は皆、機械から生まれた「モノ」ということになりますが。

大人たちはともかく、子供たちが命を軽々しく捉える風潮にあるなかで
子供たち、次世代に対してあまりにも侮辱的な発言です。

一つのたとえ話だとは思います。
確かに子供を生める年齢の女性人口が減っていけば、
1人あたりの出産数を増やすということは、政策的な流れではあります。

しかし…たとえが悪かったですね。
「機械の頭数が決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」という発言は
戦時の「産めよ増やせよ」「女工哀史」的な思想に結びつく気がして
背筋がゾゾッと寒くなります。

当ブロガーの「転職父さん」フジタさんもおっしゃているように、
柳沢さんはたまたま、少子化政策を担う官庁のトップにいるから騒ぎにもなりますが
世の中の男性方(とくにその世代)は「機械」という言葉は使わなくとも
同じ考えの土壌にいるなと日々感じていました。

国会議員インタビューで、質問をする前にいきなり
「あなた、子供何人いるの?」と逆質問してきた先生方。

1人産んで仕事を続けていた頃、お酒の席で必ず言われた言葉。

「2人目は?共働きなんだから3人くらい産んでもらわないと…」
「(少子化の影響をもろにかぶる)住宅業界で働いているなら
率先して何人も子供をつくってもらわないと…」


私の場合、息子を産んでも保育園に空きがなく、これまでの会社員生活を続けられなくなったわけですが、
そんなことはお構いなしです。

安倍首相が年初の施政演説で少子化・イジメ対策として「こども省」創設を示しましたが
早くもお膝元から崩れてきそうな構想。

できても予算消化のためのバラマキ・ハコモノがまた一つふえるだけで
保育園待機児を抱える身としては正直期待していません。。。

住宅事情(ローンや住宅の狭さ)で理想の子供数をあきらめている女性がいるならば
子供の人数に応じてローン返済を補助するとか、家賃補助するとか、
住宅政策でも少子化に実効性のある方法は、いくらでもあると思います。

パロマ湯沸かし器捜査に思う

この週末の新聞紙面をにぎわせた、パロマ工業の強制捜査。

ガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故は
1985年からの20年間で21人の犠牲者を出したといいます。

この捜査のきっかけになったのは2005年11月の南麻布のアパートで中毒死した事故。
唯一、5年の公訴時効を迎えていなかったことで捜査に踏み切ったとか。

もし5年の時効きれになっていたら、この上嶋さんのケースもウヤムヤになっていたところ。
公訴時効5年というのは、あまりにも短すぎる気がします。

この話題で結びつくのは、現在検討されている瑕疵担保保険制度の導入。

現在、新築住宅に義務付けられている瑕疵担保責任は10年。
もちろん大手ハウスメーカーなどでは50〜60年の独自の責任体制を敷いているところもありまが、
法律で義務付けているのは、あくまで「10年」です。

これは長いのか、短いのか。
10年など、入居して家具を買って引越しのダンボールが片付き始め
ようやく新居での生活本格稼動するうちに過ぎてしまう年月。

10年の保証を義務付けても、欠陥が見つかって業者が倒産したら
ヒューザーのように保証制度は全く意味がない…
ということで検討されている保険制度ですが、
この機会に「10年」という法律の保証期間を考えてはどうでしょうか。

次々と発覚する耐震偽装、不二家、あるある大辞典…
少し前までは「安全・安心」といえば自然災害や防犯など不可抗力的な対象を意味していましたが
皮肉なことに最近は、企業のモラルに端を発する安全性が問われだしています。

人生100年、ローン35年、100年住宅どころか200年住宅が国で議論されている時代に
「5年時効」「10年保証」はなんとも短すぎる気がするのですが。。

07年買い時?もう一つの見方

私も読みました。



「経済」「景気」「税制」「金利」などマネーを中心にした
「今が買い時!」という予測が多かったので

少し違った角度から「どうしても07年じゅうでなくてもいいのでは?」という予測を
私なりに付け足してみたいと思います。
(物事には二面性があるということで…)


①金利が上がれば建築費・物件価格は下がる?

金利が上がればその分、支払利息が増えて総返済額が増えるのは確かです。
ですのでこの面にのみ着目すれば、金利上昇にある今は「買い時」かもしれません。

ただ、業界関係者に聞いた話によると、「金利が上がった分だけ価格は下がる傾向にある」とも。

金利が上がっても地価が上がっても、肝心のサラリーマン収入はそれと並行に増えているわけではなく、購入体力が強くなっているわけではありません。

一次取得層である若年層がメイン購入層となればなおさらです。
供給会社としても全く購入不可能な(ひいてはローン破産確実な)価格を設定するわけにいきません。

金利が上がっても総返済額は金利上昇前と大して変わらない額にするため
どうしても建築費や広告宣伝費を削るなどして、「買ってもらえる価格」に設定する−−そうです。

マンションは一部価格が上昇しているようですが、地価が一部上昇しているにせよ、戸建のウワモノ建築費はさほど増えていません。

(むしろ東京都プロジェクトなどの国や自治体は建築費を下げる方向に誘導しています)

なので「金利が上がる前に!」「どうしても07年じゅうに買わなければ!」と
頭金も貯まってないのに大きなローンを組むことは避けたほうがいいと思います。
(公庫の期間限定ゆとり返済にあおられて買い急いでしまった筆者の体験から)

地価が上がろうと金利が上がろうと…

頭金は少なくとも物件価格の2〜3割用意できているか、
年金も期待できない老後まで続く返済が可能なのかどうか、
今は共働きだけど妻が専業主婦or無収入になっても返済できる計画か


…など、まず自分の足元を冷静に見極めてからのほうがよいかと思います。
(いつの時代も言われている基本ですが、
景気回復と金利・地価上昇で業界も消費者も浮き足立っている時だからこそ、
基本に立ち返る必要があると思います)

②「構造・耐震性重視の家が選びやすくなった」(日経ホームビルダー編集長談)は、07年に限らない今後続く傾向

これは07年以降ますます強まる傾向ですので、それほど「07年中に!」と急ぐ理由でもないかと思われます。

建築士法改正でより優秀な建築士が輩出されるのは今年以降ですし
(木造2階建ての構造計算も義務化)
保険料を住宅会社が負担する瑕疵担保保険法も今年の国会で議論される方向で
まだ答えは出ていません。

③戸建もマンションも「立地」が命です。

住み替えで売却を考えていたらなおさら。
(戸建は築15〜20年で建物の資産価値はほとんどゼロになるのが現実です)

「駅から少し遠いけど金利が上がる前に」と買い急がず、
シングル女性やDINKSなど、将来、家族変化の可能性がある人は
特に建物の資産価値はあてにしないで土地・立地の資産価値で考えたほうがいいでしょう。


…とはいえ、史上のローン金利の平均が6〜7%であることを考えると
そこまで上がるのは決しておかしくない話で
やはり金利の上昇は大きなモチベーション要素ではあります。

買い急がず冷静に、でも地価・金利ウォッチングは丹念に…といったところでしょうか?

よく見たら、当ブロガーの大森さんが書いてらっしゃったんですね。^^
失礼しました。。。